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[90013] 季節は巡り・・・

詩人:あやめ

また今年も冬がやってくる。

あの頃の私は正直、自分の若さを怨んでいた。

どうして、もっと早くに生まれなかったんだろう。
どうして、もっと早くに出会えなかったんだろう。

本気でそんなことを思っていた。
私が彼への思いに気付いた時には、すでに彼とともに過ごす時間はごくわずかに限られていた。
だから、ほんの少しでもいいからあの人のそばに居たかった。

あの人とは結ばれるべき運命ではなかったのだ。

でも当時のあの人だから私はあんなにも好きになれたんだろう。

そうでも思わないと、私はいつまでも自分の若さを怨んでいたと思う。

私には逃げるしかなかった。

だから、どんなに私の思いが通じなくても、自分の事を見てくれなくても、私はただ一緒にいるだけで幸せを感じていた。

彼とよく話した場所が電車から見えた瞬間、涙が溢れ出した。
涙はただ溢れるばかりで、止まらなかった。
涙と同時にあふれ出た感情もあって、涙をとめることが出来なかった。

それからあの人を忘れるために一生懸命働いて、体を壊した。
思い出すことよりは辛くなかったから働いた。
それでも、あの人を忘れることが出来なかった。

いつだったか、忘れられなくてもいいんじゃないかって思えるようになった。

それだけ本当にあの人のことを思っていたんだって。

彼と出会って約2年。
最後の別れから、もう1年近くになる。
彼と一緒の時を過ごしたのはたったの2ヶ月足らずだった。
そんなことを思い出した。

また今年も彼と出会った季節が、彼と過ごした季節がやってくる。

今年も彼を思い出して感傷にひたっているのだろうか。

2006/11/23 (Thu)
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