詩人:悠月
聞こえないあの子の声が聞こえない僕らこんなに近くにいるのに間を隔てるものは何もないのに聞こえない世界の音が聞こえない二人透明な膜に包まれてゆらり優しい夢の中聞こえないあの子の歌が聞こえない泣いているあの子にさしのべた手は何かに拒まれたかのようにとどかない聞こえない聞こえない聞こえない「さようなら」その瞬間透明な膜は弾けとび世界は音を取り戻し泣いてたあの子は遠い幻聞こえない聞こえない聞きたくない