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詩人:EASY
僕は
なんの目的もなく仕事を辞めて
なんの目的もなく
また新しい仕事をしようとしている
人は生まれ変わると言われているが
僕は死んでもいないのに
生まれ変わろうとしているのだ
そしてまた
なんの目的もなく
生まれ変わろうとしているのだ
過去のいっさいとの関わりを
僕は止めたのだ
そしてこれからは
訳のわからない未来が
きっと待っているのだ
新しい人間関係を築くのは容易ではない
普通の人間なら
僕もそうだが
それにはかなりの
エネルギーを消費しなければならない
本当なら光合成でもしながら
植物の様に日光を浴びて
生きていければいいのだが
僕はそうもいかない様だ
僕にはお金が必要で
家賃も払わなければならない
なんの目的もないようではあるが
家賃を払うという目的はあるのだ
今さら大家に向かって
家賃を払わないで住まわして下さい
日光浴をしたいからなんて
口が裂けても言えないのだ
口が裂けた所で
追い出されるのがオチでもあるが
僕は死んでもいないが
生まれ変わらなければならない
それは僕の知らない所で
果たされるべき目的なのだ
だから
何も知らない僕は
目的なんかは知らないのだ
僕は
すべての過去を捨ててきたが
記憶にはしっかり留めてある
それは丁度
僕自身であるかの様に
いつもここにあるのだ
記憶ではなく
僕自身として
身に纏っているのだ
僕は変わらないものを
僕の中に持っていて
僕は新しいものを
僕の中に持っている
僕も
歳を取ったのかも知れない
意見が二つに分かれれば
どちらにも頷けてしまい
笑う事しか出来ないからだ
きっとそんな奴は
社会では窮屈なのだ
でも
釣った魚だけで飯は食えないから
新しい仕事を探すのだ
目的なんて
僕の知らない所にあればいい
笑う事しか出来ないならば
それもそう悪くない