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[167056] 平日の朝

詩人:EASY

目覚まし時計を止めた僕は

もうほとんど夢を忘れてしまっている

その名残だけを便りに
初恋の感覚を思い出す


平日の朝に流れる空気は
その香りを一瞬で消し去る

空気清浄器の様だ






空っぽになった僕の心は
今日一日を詰め込まなければならない

それはまるで

煙草で真っ黒になる事を義務付けられた

子供の肺のようだ






テレビをつける

批判に批判をしているコメンテーターを
批判をするほど批判が好きじゃないので

僕は深く笑ってみせた




僕はきっと朝だから
忙しいはずなのだが

マンネリはよくないと
唐突に思ったので

ベランダに出て取り合えず
景色を眺めた



景色はとても騒々しくて
それは正に朝のそれであった

人々は時限爆弾の装置でも背負っているかの様に

先を急いでいる


鳩とカラスと猫だけが
時限爆弾を持ってない


僕にもそれは可能だろうか

僕はそう考えた



僕は息を大きく吸って
そして吐いた



それを可能にしたのだ




そして僕は言い聞かせた
別に悪い事をしてる訳じゃない


僕はただ

息を大きく
吸って吐いただけなんだ



雲は見たことないくらい
ゆっくりと流れて


目覚まし時計を止める前の

もうほとんど忘れていた
夢を思い出させてくれた

2011/04/03 (Sun)
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