詩人:剛田奇作
そこの人々は 日夜
解ってもらいやすそうな言葉を考えて
自分を表現しやすそうな言葉をたぐり寄せ
解ってもらいやすそうな人々を
解ってもらったようなつもりにするため
解っているつもりで口をきく
『解らない』
などという、自分たちの存在を根底から否定しかねないような言葉は
決して
使わない
そのために日夜努力しているわけで
解ったようなつもりの手段で
解りやすさを追求したつもりで
共感度らしきものを高め
解ったつもりになれそうな人々に
解ったつもりになってもらうべく
がんばっている