詩人:遥 カズナ
金属を美しく磨ぐには
一定の力で均一に等間隔の滑らかな8の字を描くように揺り動かさねばならない
欲は加減を歪ませ
見合わない背伸びは
その表面に磨き手の顔を
ぐにゃぐにゃに おぞましく映しだす
かと言って無欲では
緊張感がたるみ
ガラス鏡のような
細密にして鋭利な様相を取りこぼしてしまう
と言うよりも
磨き手の目に見えている事など全くあてにはならない
素に指先で触れた感触と
丹精を込めた誠実さが
一漕ぎ 一漕ぎを…
さながら
舟を駆る 揩のリズムのように なだらかに
テンポよく
繋がらねばならない
そう それは
良く晴れた空を映す
湖を行くように
ありのままに
リズミカルに