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遥 カズナの部屋


[113] 研磨
詩人:遥 カズナ [投票][得票][編集]


金属を美しく磨ぐには

一定の力で均一に等間隔の滑らかな8の字を描くように揺り動かさねばならない

欲は加減を歪ませ
見合わない背伸びは
その表面に磨き手の顔を
ぐにゃぐにゃに おぞましく映しだす

かと言って無欲では
緊張感がたるみ
ガラス鏡のような
細密にして鋭利な様相を取りこぼしてしまう

と言うよりも
磨き手の目に見えている事など全くあてにはならない

素に指先で触れた感触と
丹精を込めた誠実さが

一漕ぎ 一漕ぎを…

さながら
舟を駆る 揩のリズムのように なだらかに
テンポよく
繋がらねばならない

そう それは
良く晴れた空を映す
湖を行くように

ありのままに

リズミカルに




2007/07/28 (Sat)

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