詩人:EASY
永遠にさえ思えた
あの下り坂
本当の夏の風を体に受けて
僕たちは自転車で
勢いよく下ってた
本物の笑顔は
その見た目よりも
その気持ちの方に
価値がある事を
僕たちは知った
星に触れるとさえ思えた
あの日の夜
ほとばしる鼓動を体に感じ
僕たちは二人きり
いつまでも喋ってた
本物の笑顔は
その未来よりも
今この時に
輝く事を
僕たちは知った
あれから僕は大人になり
数え切れない程の過去を抱え
数え切れない程の未来を描き
たったひとつのこの今を
置き去りにして来た
たったひとつの本物を
置き去りにして来た
生きて行くという事は
そういう事かも知れない
だけどそれは
それはいつだって
僕たちを裏切らない
今この瞬間だけは
僕たちを裏切らない
この空はいつも
綺麗なままだった
僕が眺めることを
待っていた
過去でもなく
未来でもなく
たった今
眺めることを
待ってくれていた
それはいつだって
僕たちを裏切らない
変わる事があるのは
景色の方じゃなくて
僕たちの方で
笑顔そのものの意味は
永遠に
変わらないのだから