詩人:剛田奇作
飛んで波打つ
君の肘が
初めて星を こずいたのさ
駅はまだ遠いから
水筒には君の好きなレモネードをつめて行こう
覚えてる?
ホームではあの言葉はぜったい使っちゃいけないんだ
雲の隙間には、僕らの未来があるんだよね
でも、鳥は きらい
僕らをいつも見下ろすから
空はね、少しすき
ビーカーに鳥を溶かすから
ぐるぐる巻きの紙芝居が終わる頃
君はすっかり
酔っ払っちゃって
僕の薄い肩に よりかかってさ
可愛かったね
耳をつまんだ指先が
すごくピリピリしてきちゃって
靴紐もほどけなくて
痛かった
でもね、僕、
君をずっと愛してたんだ