詩人:鴻
目の前は
いつも 目が覚めた瞬間からボヤけていて
目をどんなに擦っても
顔を何度洗っても
目の前は曇っている
至近距離まで近づいて
漸く読める文章
至近距離で見ていないと
指を切り裂く包丁
見エナイカラ見ヨウトスル
ボクの目は
“生キテイル”
だけど
“死ンデイル”
ただ ボクの視力でも
見えなくても見える
人の 好意がある
光っていたり
曇っていたり
心は
見るよりも見える
見エナイモノガ
はっきりと
見えること
それが
唯一 ボクが持てる…―
“『自信』”
2009/05/19 (Tue)