詩人:甘味亭 真朱麻呂
母の膝の上
まるで ゆりかご
父の眼差し
まるで ゆりかご
僕らは悲しい生き物なんだね
僕らは尊い生き物なんだね
気がつけば
そこにあなたがいて
気がつけば
やっぱりいるはずもなくて
不意に涙ぐんだりして
遠い昔、思い出したりして
それでも僕らは未来というペダルを漕ぐんだろう
それでも僕らは明日というオールを漕ぐんだろう
漕ぎ疲れる
そのときまで
僕が今度は"君"のゆりかごになってやるんだろう
母のようなやさしさで
父のような力強さで
"君"を守ってやるんだろう
無邪気に笑う君の顔にはどことなくこの僕の面影
今はもういない愛する人のぬくもりに似た
包み込むような僕の手をにぎるやさしくやわい手。