詩人:ハト
私は
私の
レンズを通したものしか
見ることができない
赤いシートを被せたら
赤い文字が見えなくなるように
私は
私の
レンズを通したものしか
見ることができない
あなたはきっと裸眼でものを
見ることができるのでしょう
何ものにも邪魔されず
遮られることもなく
そのありのままを
見ることができるのでしょう
時々訪れる空白に
何の疑いも持たない私に
その空白は
本当に空白なのかと
あなたは問いましたね
私には本当に
空白に見えたのです
何もない空白に
気付かせてください
思い知らせてください
空白に見えるものを
私のレンズが
遣り過ごしてしまうものも
あなたのその目には
きちんと映っているのですね