詩人:あいる
貝殻がカラカラわらった
カラスがせっせとゴミを漁る
人間は、はしゃぎながら日が暮れると帰った
野良猫は呆れてアクビをした
海は何も語らずうつむき、嘔吐を繰り返した
寄せては返す、ゴミの波
重油にまみれた鳥たちは、見せびらかすように重い翼を広げ死んでゆく
珊瑚たちは今夜も月の光が射さないと、土に還って空に舞う
後の世代に任せたと
人間たちはそれでも、まだ腰を振りながら首を吊る
吹き抜ける風は鼻をつまみ
深海魚は泥のように眠る
小さな子供がお菓子の袋にゴミをつめて帰ると
貝殻はカラカラ笑った