詩人:美虎
僕はうつむきながら
宛もなくさまよっていた
独りで違う世界へと
旅立ちたかった
そんな僕を引き留めるかのように
必死で泣き続ける君
雨音に消されそうになりながらも
声を押し殺して
君は泣き続けた
僕に救いを求めていた
まるで今の自分を見ているかのようで
涙があふれた
君を抱き
「大丈夫だよ」と
慰める
君は感謝の気持ちを込めて
僕の涙を拭う
独りなんかじゃないよ
そう言っているかのように
救われたのは僕の方だよ
家へ帰ろう
僕らはもう独りじゃないんだ
2004/02/28 (Sat)