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[9313] 雨降る街

詩人:美虎

僕はうつむきながら

宛もなくさまよっていた

独りで違う世界へと

旅立ちたかった



そんな僕を引き留めるかのように

必死で泣き続ける君


雨音に消されそうになりながらも

声を押し殺して

君は泣き続けた

僕に救いを求めていた



まるで今の自分を見ているかのようで

涙があふれた


君を抱き

「大丈夫だよ」と

慰める


君は感謝の気持ちを込めて

僕の涙を拭う


独りなんかじゃないよ

そう言っているかのように




救われたのは僕の方だよ



家へ帰ろう


僕らはもう独りじゃないんだ





2004/02/28 (Sat)
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