詩人:甘味亭 真朱麻呂
それでも僕は
きみが好きで
仕方のないくらいに君を心の底から好きになってしまった
君と出逢ってからいくつの冬を迎えただろう
凍えるからだを温めあいながら
時間も忘れて楽しく話した
忘れてしまった遠い日の歌のように
僕らの日々はまるで風のようにあっという間に
悲しい終わりが春がくる前に君を僕のこの胸の中から
さらっていったよ
もう君には逢えない…言葉さえ交わせない
街がひどく凍えている夜
白い雪はまるで天使の羽根にとてもよく似ていた
君のこと思い出しては涙あふれて
終わりゆく冬が
ひっそりと窓辺に白く残る朝
あれからいったいどれだけ月日が過ぎただろう
あの日から僕の心はずっと空っぽさ
ああ
さようなら
もう逢うこともない
君というたったひとりきりの心から好きだった人
これからもずっと大好きな人
さようなら。