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詩人:カナリア
どうしようもなく
悲しくなった
生きる事に怯え
死ぬ事に怖じけづく
何処か誇らしげな
尻尾の長い生き物に
通り過がり
鼻先で笑われ
『独りが恐いのか?』
と…後ろ脚で蹴られた
恐
い
よ
・
・
声さえ出ず
涙さえ溢れず
行き場さえも失い
残ったのは
名前が解らない
この感情
無情にも
月明かりに照らされ
皮肉にも
キラキラキラキラ
輝いて見えて
悲しみという奥底の
美しさに触れた気がした
今夜は丸くなって寝よう
寒くないように
寒くないように
悲しみを抱いて
明日が来るのを
待ってみよう