詩人:はちざえもん
太陽が昇って 安らかな腐敗が始まる。
そこから二人の生活が始まった。
生があって、その対照としての死があって、
その間にあるのは、明らかな断絶。
時折、覗かせる赤い球体
誰もが皆、それを太陽と呼ぶ。
漠然と皆、それを太陽だと信じている。
そして今日も日が昇る
地平から覗く赤い球体を
僕は彼女と眺めてた
「影が遠くに伸びてって、家の中にまで浸食する!」
「よく見て!あれは太陽なんかじゃない!」
パニックに陥った彼女は
ベランダから身を投げた
そしてまた一人きり
赤い球体が輝きを増す
それが太陽ではないと気が付いた時、
僕もまたベランダから身を投げた。
それが正しい反応だと確信をもったから