詩人:ヒギシ
夜中にふと目を覚ます
右腕が上に行っていて
血が通わず
動かない
もう一度眠ろうとするも
言い知れない恐怖に
背中から近寄られ
渋々左手で右腕を下ろす
どさりと
他人の腕のように
重く微動だにしない腕
何だこれは
眠気はどこかへ
消え去った
死んだ誰かに
眠っている間
右腕を掴まれて
引っ張られていたのかと
先刻の背中の恐怖と
再会する
まだ
いきたくはないので
しっかりとこの右腕を
左手で捕まえておかなければならない
このあと眠って
夢にでるのは誰であろう
2004/05/19 (Wed)