詩人:なっこ
中学生だったころ、祖母が死んだ
繰り返される読経の中で、もう祖母はもう還らないと知った
祖母と色んな話を沢山したかった
大学生だったころ、甥っ子が生まれた
繰り返される産声の中で、人は人から生まれるという当たり前を知った
みずみずしい生命はとても純粋でとても綺麗だ
人は死に、そして生まれる
どちらが後でも、どちらが前でもなく
繰り返される時の流れ、自然の流れ
その流れの中に私たちは存在している
私もいつか必ず死ぬ
そんなことを甥っ子の成長と共に思い知らされた
だから、人として今に存在すること、思考することは
奇跡なんだと思う
望んで存在していなくても、不幸だと感じていても
ちっぽけに思うことを真剣に悩んだりしても
奇跡なんだと思う
どんなふうに生きようと
私たちは刹那に生まれた存在に変わりない