詩人:さみだれ
日当たりのいい庭
彼女は水を撒いている
花が顔を上げて
口を開けているようだ
彼女はいつも楽しそうに
歌を口ずさんでいる
彼女がひとつの「音楽」のように
世界はその音に魅入られた
わたし、ほんとはよくわからないの
なにがたのしいのか
どうすればよろこばれるのか
だから、ね
おしえてほしいの
しあわせならしあわせだって
いってほしいの
彼女はいつまでだって水を撒いた
気が遠くなるほど長い月日
もう自分の名前だって忘れただろうに
彼女はずっと愛し続けた
2011/06/11 (Sat)