詩人:♪羽音♪
行きたい場所がある
急な坂を上り
いかがわしいお店を
通り抜けた先にある
異国の空間
薄暗い曇りガラスから
光と音楽が零れる
ドキドキしながら
ドアノブに手を掛けると
懐かしい音たちが
雪崩れ込んだ
二階に上がって
お気に入りの席に座る
横に目を向けると
そこにはキラキラ光るシャンデリア
正面には巨大アンプ
レコードが回るように
珈琲を銀スプーンで
クルクル
一瞬時がとまって
目をつぶり音と味を
味わう
ふと気がづけば
外は暗くなっていた
そこには冷えた珈琲と
隣の人の残った煙草の煙が立ち上る
空には異国の月が
のぼっていた