詩人:千波 一也
水とひかりとささやかな糧とがあれば翼たちの朝はまもられてどれかひとつでも均衡のくずれる日に翼たちは旅立つあたらしい朝を迎えるため一斉に旅立つ 翼は 個々に ひたむきに 何千、何万と 羽ばたくのだろうけして数えられることのない羽ばたきの向こうにたしかな能動を証して翼たちは約束を迎えにゆく告げる言葉も告げられる言葉もなく朝がわたりゆく