詩人:ライカ
あまりにも安定した
己の日常から
目を背け
ベッドにばたりと倒れ込むと
夕べの不埒な残り香
あなたの真っ赤なマルボロの香り
一緒に吸い込んで
思わずムセた
途端に あなたのいた記憶が 頭を掠め
身体が熱くなる
あなたの香りのタバコに火をつけ
身近にいるのだと わたしを騙す
次は金曜日なのに
あと何回
星空が夕日を押し倒して
月が 嫉妬で その身を窶すのを
眺めればいいの?
手を伸ばせば届いても
週に4日は他人のふりの
薄情なあなたの
銀のリングを
裏切りながら
2004/11/25 (Thu)