あまりにも安定した己の日常から目を背けベッドにばたりと倒れ込むと夕べの不埒な残り香あなたの真っ赤なマルボロの香り一緒に吸い込んで思わずムセた途端に あなたのいた記憶が 頭を掠め 身体が熱くなるあなたの香りのタバコに火をつけ身近にいるのだと わたしを騙す次は金曜日なのにあと何回星空が夕日を押し倒して月が 嫉妬で その身を窶すのを眺めればいいの?手を伸ばせば届いても週に4日は他人のふりの薄情なあなたの銀のリングを裏切りながら
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