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[960] 戒律

詩人:soRa

柔らかなその唇が
無頓着なほど純粋な愛を語り始めるから
心の震えが止まらない

君がそんな話をする時
僕がいつも悲しがるのを知っていたから
身動き一つ出来ないでいる僕に
君はそっと接吻をする

互いに限りなく意味のない傷を
手首に持っていたから
それを舐めあうような二人の暮らしが
日付が替わる瞬間に
不思議と安心感を覚えるのは
いくつもの後悔を背負って生きていく覚悟と
決して疎外されることのない純粋な君の言葉が
戒律に縛られることのない極論だったと感じるから

日々の罪を隠そうとは思わない
変わり行く時の中で
大切な者をただ守りたいだけ
強くて壊れやすい者のために






2003/03/05 (Wed)
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