詩人:番犬
一日中ターンテーブルの
灼けつく音を耳に傾けていた
朝日が夕焼けに変わるのも気づかず
心地良い空間の無重力にレコード
ケミカルと煙とパイプの煤とオールドスクール
そしてあらゆる種類の音楽の裾野
そこに立ち尽くす
ヒップホップやメロコア
グランジにヘビィロック
HR/HMにパンク
レゲエとオールディーズ
フォーク カントリー クラシック トランス
現時点で興味をくすぐるのはブルース
一本のギターと空白の凌ぎ合い
聴くというよりも見つめてる
音符の流れと時代の残り火を
何を思う訳でもなく
何を隠そうとする訳でもなく
数年も経てば古臭くなるような
そんな音や言葉に揺られながら
ただ一日中レコードから立ち上る
焦げついた臭いに人間を感じてた