詩人:黒夢
眩しい。
それに目を向ける事さえ、僕にはできやしない。
昔、ある神話を読んだ。
蝋で固めた翼で、太陽に挑んだ男の話を。
なぜだかもう二度と読みたくなくて
内容はうろ覚え。
この認識が確かかどうかも分らないけれど。
確か男は
蝋の翼が太陽の熱で溶けて、死んでしまった。
ならば、僕のこの想いも溶けるだろうか。
太陽に、限界まで近づけば
君への想いも消えるだろうか。
太陽よ、溶かしておくれ。
嘗てお前が
あの男の翼を溶かしたように。
君への想いを翼に変えて
お前の元へと飛んで行くから。
お前の熱で。
灼熱の炎で。
どうか、君への想いを消しておくれ。