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詩人:右色
11月の終わり
季節はずれの陽気
抜けるように蒼い空は
地上のありとあらゆるものを受け入れるかのように
どこまでも青々と果てなく広がっていた
だから僕は尋ねてみた
こんな日だから僕は尋ねてみたくなった
やああって
僕は僕の知らない何かを
中空へと放ち
応えを待った
ただ待った
雲一つ流れることもないまま
空は赤くなり黒くなった
何かに絶望したのか
それとも感動したのか
不意に泣きたくなった
僕が泣き出す寸前
「探したよ」
僕の知っている誰かが駆けつけていて
僕は
待っていたよ
なんて科白を口にした
どうやら
僕は嬉しいらしい
口元が緩んで仕方がない