詩人:ならか
彼女の逃げ場所は
自らの両てのひらの中のみ
彼女の隠れ場所は
自らの両てのひらの中のみ
だって、
怯えている時は
顔を両てのひらの中まで逃がせば
誰にも気付かれないから
慰められるのは嫌だから
だって、
泣いてしまった時は
顔を両てのひらの中で隠せば
誰にも気付かれないから
泣いている場合ではないから
怯えたらいけない
泣いてはいけない
逃れる場所は
両てのひらの中のみだから
本当の顔の居場所は
両てのひらの中のみだから
さあ
早く
彼女は顔を覆う
2006/08/15 (Tue)