詩人:ヒギシ
言いようのない感情を
どう唄えば良いか
分からずに
赤くなって山の向こう
遠くへ落ちる月を見た
心の中で
言葉にならない声達が
散々喚き散らして
叫んで叫んで
良心バッタの小さな声は
暫く聞こえそうにない
今日が背中をぐいぐい押して
明日が腕を引っ張って
昨日がこっちを眺めてる
彼らに身をゆだねて
時が駆け足で去ってくのを
震えて待った
猫の唸り声が響く暗闇
月ですら照らすのを諦め
星達はどこかへ行ってしまった
懐中電灯で照らしても
私はどこにも見えてこない
明日
太陽が
凍えた私を見つけ出し
氷を溶かしてくれますように