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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 「名前のない別れ」への投 票 〜

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[107270] 名前のない別れ

詩人:甘味亭 真朱麻呂


名前のない駅で名前のない列車を待つ
名前のない駅へ行くための列車を待つ

君はついてはこない
ぼく独りきりの旅さ

真っ白な頭に浮かぶのは
君のあの笑顔
それだけを鞄に詰め込んで
この街を離れる

名前のない駅で名前のない列車を待つ
名前のない駅へ行くための列車を待つ

君は一緒じゃない

ぼく独りきりの旅さ

真っ青な空に浮かぶのは
沢山の想い出
それだけをぎゅっと握りしめて
列車に乗り込む

置いてきたもの
取りには行かないさ
もう戻らない
ここには戻らない
形のない大切をこの胸で感じてる
熱くなってしまう脈動を
哀しみだけで染めてしまわないで
やさしく手を振り
別れ際さえ穏やかに
ぼくは遠ざかる君の姿をずっとずっと
列車の窓越しから見ていた
ぼくは遠ざかる思い出をずっとずっと
何年経っても忘れないから。

2007/08/14 (Tue)
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