詩人:理恵
彼は描き続けた
たった一つの答えを探して
時に黄金の大地を知り
時に佇む緑に心を奪われ
時に同じ絵に何度も挑み
時に白い部屋から顕(あらわ)す術をさがして
彼から溢れ出るそれを
狂気だと誰かが呼んだ
時に自分の力を信じて
時に自分の顔と向き合って
時に友と路を分かち
時に森の中の木に触れて
彼から溢れ出るそれを
炎だと誰かが呼んだ
やっと見つけた光を拒まれても
譲れない気持ちを持っていたんだ
だから私はそれを見つめてる
今は額の中だとしても
言葉を交わすことがなくても
水辺の星空からその情熱を
太陽の花からこらえた涙を
R1.11.25