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詩人:遥 カズナ
感傷が
小さな手に似た旗を振る
からっ風に連れられた、たどたどしい温もりが
振り払う腕に巻き込まれて纏わりつくと
目玉の裏側からタンポポが生えてくる
飼えもしない捨て犬を優しく撫で回して
置き去りにしてきた
よじ登った朝の
公園のジャングルジムの頂から臨む
地上から目にする事の出来る最も遠い眺め
主を無くした飛行機雲
四方を景色に囲われ、揺れる様に
手を差し伸べて、寄り添っているつもりになっては
置き去りにしてきた
自らの形を、無限に理解出来ない鏡写し
どこかの家からする
魚を焼く匂いを嗅ぐと
時間は光合成をさせに呼吸を外へ、奪い返す
掴んでいる筈の、ひんやりとした鉄の感触は
口先の友情のように疎ましく
街並みの影絵の向こう
眠気眼の日差しが訝しんでいる
もう
誰にとってもどうでも良い
青い舌触りの、十円玉を吐き出すと
ジャングルジムから、飛び降りていた
タンポポの綿帽子を散らしながら
、