詩人:ゆかり
あの駐輪場に君がいた
なにが起こるかは分かってた
逃げずにはいられなかった
呼び止めて欲しかった
名前呼んで欲しかった
君はなにかいいたげだった
気付いたら
そこに君はいなくなってた
振り返ればなにか変わってたかな?
止まれば名前呼んでくれた?
駐輪場は静まり返っていて
もういないと分かってる君のこと考えながら
かばんの中、必死になにかを探してた
顔を上げたら
君が立ってる
そんな気がしたから
そうであって欲しかったから
顔をあげても変わらない世界
振り返れば
一つだけはっきりわかる
君の自転車が
いつのまにか
出口を隠してしまったの