詩人:清彦
ちょうど、そう
絵を完成させるのに影が描かれるように
僕らには苦痛も不幸も必要だ
その瞬間、瞬間に
囚われすぎてはいけない
アキレスと亀の間の距離が
永遠に縮まっていっても
やがてアキレスは亀を追い抜くんだ
僕達はいつか死ぬだろうし
救いようのないような不幸や悲しみも
確かに襲いかかってくるだろう
だけどそれがなんだ
僕らの世界はそれ以外の
花、鳥、空、海、魚
美しいものが溢れている
世界の軸は色々あって
一瞬一瞬の出来事なんかではない
その深く重い、真っ黒な影に
囚われて過ぎてはいけない
影を成すには何処かに
光がなくてはいけないから
いつだって、明日を棄てないで
希望に充ち満ちた毎日を
必ず過ごしてやるんだ!