詩人:あとりえ
ここではない街の
なりすましさん
君は
何を伝えたかったのかな
今は
そう思う
何を伝えたくて立派な壁紙まで
貼って
他の誰かになろうとする
そうしていれば
寂しくなかったのかな
君は
8年前から
君は寂しかったのかな
でも もう寂しくないよね
鐘の音鳴り響く頃には
年月
季節かなり凪がれたね
僕は
無意識の中で
必死に祈っている
あのこが
悲しみ苦しみから自立できることを
だから僕も
悲しみ苦しみから自立しなくては
なりすましさん
君は ずっと僕を知っていたんだよね
僕も
君の悲しみ苦しみ知りたかった
君の心 緩和する何かを
見つけて
でも君は
鐘の鳴る頃は
きっと寂しくないと思うんだ
なりすましの数は
きっと君の寂しさ
だったんだと思う
亡くなったあの娘が
そう言ってた