詩人:安曇
しとしと
肌にくっつく雨
優しい雨が
雨の匂いと共にやってきた
最近雨の日が増えている
いつもの土手にぼーっと
一人、立っていた
やんわり雨が世界を
静かにやわらかく
濡らしているのがわかる
ねぇ
空も泣いているの?
じっとり
雨が体にくっつき
涙か雨か
僕の顔は濡れていた
草も花も、土も木も
雨を受け入れ
家も道も、風も川も
雨に包まれる
しとしと
僕を包む雨
冷たく僕の温度は下がっていくけど
まるで
僕と一緒に泣いてるみたいで
ほっとした
気が付くと
雨はやみ、澄んだ空が僕の背中を押した
秋の午後
2005/10/26 (Wed)