詩人:清彦
落ち葉が舞っている
車道の騒々しさに掻き回されて
何度も舞い上がる
少し疲れてるのに気づいたのは
立ち止まったから
この信号が変わったら
また歩き出さなくちゃ
すっかりと遅くなりはじめた
帰路に取り残されないように
赤や青や鮮やかなネオンや
街頭に導かれ僕らは何処へ?
昔激しく笑って信じ合えた
あの永遠の時間を共に過ごした
彼らは何処へ?
顔も見ないような
入れ代わりのマンションのドアをくぐって
くたくたに疲れた身体を横たえたけど
僕は未だ帰ってなんかいやしない
旅立った瞬間の不安と別れを抱えたまま
ひっそりとあの孤独の出発点へ
行ったり来たりしているだけなんだ
見渡したらこの部屋は
まったく知らない気色
ふと正気に戻れた気がしたから
その瞬間
僕はもう帰れる場所に気づいたよ
何もかも棄ててしまおう
すっかり遅くなったけど
おとうさん、おかあさん
待っててください