詩人:望月 ゆき
はらぺこなぼく達は
いつも何かを食べている
それはご飯粒に限らない
時にメディアから流れ出る
時に2軒隣のスピーカー
はらぺこなぼく達は
道端の石を拾い
それを 空に飛ばしては
また 拾う
いつか金貨になることを祈って
はらぺこなぼく達は
はらぺこなくせに 好き嫌いが多い
それは メインディッシュに限らない
時に自分に向けて発せられる侮辱
時に誰かのサヨナラという言葉
はらぺこなぼく達は
それでも いつか
お腹いっぱいになるのだろうか
物語では
はらぺこなあおむしは
最後はちょうちょに大変身をとげたが
はらぺこなぼく達は
いったい何に変身し得るだろうか
はらぺこなぼく達の
はらぺこな未来