|
詩人:トケルネコ
あいつが云った用済みの花は
心地良く路上に眠っていた
フラスコからカメラを取り出し
ぺットショップで蠢くバナナを買った
冷めた秋口 のぞく扇面光の端っこに
イエスとパンダが寝そべって
雪崩打つ歓喜のテロを眺めてた
あいつは東京マウスのよう
臭い霊柩車に押し込まれクロークルームへ消えるらしい
「カナリアを手放す事は
約束を預けることに等しい」
言葉にすれば陳腐なポーカーも
ジョーカーの視線に囚われる始末
歌うことで雪ぐ前に
殺すことで孕む後に
誰かが捨てた用済みの花は
カメラとバナナに犯されて散った
(だからどうしても……)
叶う前に死ぬことは
破る後に産むことは
「きっと罪深い罰を得るに等しい」