詩人:緋文字
刷り込まれたもの味得したものは手の甲を舐めてさえ甦る匂い発せられた数々のいつ何時でも思い起こせる微細に鮮明なそこにあるものたち手にとれるかと云えば手に取るように、でしかなくゆえに誰にも触れられない確固たる私のもの私がどうしようと自由だ私の自由でしかもうどうにもならなくなった愛しいものたち自由に駆けろかけて駆けて私の範疇など とうに越えた処まで駆け抜けてしまえいつ何時までも手もとにあるいとおしい ものたちよ