詩人:トケルネコ
星々のボタンを外して 覗く暁の器
閉じたマブタ貫いて 響く胸腔の歌声
口づけも知らず 彷徨う空に
無言の祈りだけ抱きとめて
青い透明な影はためかす
誰もいない地平のカーテンを破り
荒鷲たちの その領域へ
少年達は夜空へ手を伸ばし
届かない意味を知る
大人達は星々の影の下で
届かなかった輝きに魅せられ
ただいくつもの星が流れ去るままに・・・
このまま心のボタンを外して 自由になれたらと
開けた地平の高みに 冴える紅潮の爆音
口づけも知らず 墜ちる空に
最後の祈りだけ抱き締めて
白い軌跡が弾けて吠える
誰のものでもない 大空そのものへ印す
荒鷲たちの 爪痕だけが揺れて