詩人:夢中人
蒼く美しい海岸の畔 仄かに甘く香る陽が差し入る森の中
白い華に浸る貴女を見つけ 時を歪め芥子に暮れる
緑の果てまで導いてと 身分を忘れ白い手を引いた
闇に埋もれ月の光が彼等を照らす頃には 甘い香りも波のさえずりも怪しく笑う
目に見えるのは絶壁に波打つ景色 帰り道も分からない月夜に彼女は微笑み手を差し伸べる
彼は緑の果てに呑まれた
夜が明け再び陽を迎えた時
この地の美しい画の森の中には
手招きをする白い華が笑みを浮かべ誰かを待つ
此処は美しい魅惑の世界
2004/08/19 (Thu)