詩人:安曇
冷えた風うけながら
待っていた
君が息を切らしてやってくるのを
穏やかで、過ぎる時が早くて
温かく想いが僕を包んでいたの
ふと鳴った携帯電話
少し遅れるのかな。
と電話に出ると
かすれた君の声が僕の胸を刺した
旅だった君は一人で
夢を追い掛けるために
言えなかった。最後まで
いってらっしゃい。って
ズルイよ。とぽつりと言った
他にたくさん言いたいことあったのに
喉の奥につまっていて
何にも言えなかった
涙も言葉も笑顔も出来ず
立っていた
君に伝えたい言葉があったのに
君の声、聞こえなくなった携帯電話握り締めて
君のことを思っていたよ
冷えた風うけながら
待っていた
君が息を切らしてやってくるのを
…待ちたかった。