詩人:高級スプーン
暴発しそうになった
獣が腰を抜かして倒れた
一重の左瞼が瞬きをしたら
眼球の奥に姿を消した
些細な事でケンカして
疲れて眠った
君の横顔を見て
首を絞めたくなった
悪いのは獣じゃない
歪んでいるのは僕だ
純粋を幽閉する五感を
全て殺したらどうなる
君が視えない
君が聞こえない
君を匂えない
君と話せない
君に触れられない
それでも
僕は感じるのか
どうなんだ!?
左の眼球を
ぶち破って
獣が出てくるのを
二重の右眼は
黙って見ているだけか
どうなんだ!?
全てを失って
残るのは
僕一匹だけだ!!