詩人:チェシャ猫
散りゆく花びらは美しく
更けゆく夜は艶やかに
強く絡ませた指先で
涙よりも甘く濡らして・・・・
二人途切れぬ為の鎖を携えて
誰も居ない世界へと連れ去ってと
怯えた声で貴方は囁いた
この手を握り締めるために失くしたものは何か
零してきた記憶で彩られた瞳を
傷ついた瞳で見つめてみる・・・
また一つ諦めた祈りを
確かめ合うように両手で触れて
いっそ壊せばすべてが終わると
泣きながら微笑ってみた
散りゆく貴方
色彩を失くして落ちてゆく世界
強く重ねた唇で
痛みの無いように終わりをください
二人途切れぬ為の鎖で
誰も居ない世界へ
繋いだ手を離さぬように・・・