詩人:KiraAya
私は生まれた
だから生きたかった
術は知らなかった
食べて寝て動いていた
そうして大きくなって
子を成して死ぬのだと
思われていたに違いない
そうはならなかった
のこのこと迷い込んだ檻
何かに捕らわれて息が出来ない
五体が黴びてゆく
明るい外の光の中に
私を映す二つの黒い円形
あれは私を捕らえたものだ
あれは私を殺すものだ
黒い君よ
君の中に私は残るのだろうか
こんな小さな私の生命と死が
君の中で意味を持つだろうか
薄れてゆく意識の奥で
詩が聞こえた気がした
外の光は明るいのに
ここはとても冷たい
怖くはないが とても淋しい