詩人:甘味亭 真朱麻呂
間違いだらけの日々が
ただ静かに流れてゆく
忘れてしまいたい過去
悲しみに染まりきって
もういっそ何もしない
遠すぎる理想の刃先は
錆びてて切れ味は最低
僕だけを残して
遠ざかる楽しそうな笑い声
もう何も考えなくていいさ
どうせまた置いてかれるに決まってる
孤独が僕の肩に手を回して親しそうに話す
意味もないぬけがらみたいなことばを連ねて蝶は冬の寒さに
そっとその美しい羽を閉じた
ガラスの中の届かない世界に昆虫採集する
運命に愛は連れ去られた
涙する僕だけを残して
悲しみに暮れて
涙する僕だけを残して。