詩人:まとりょ〜鹿
お前が嫁いでゆくその前に
もう一度ちゃんとお前の顔を見ていいか?
産声を上げて
ずっと母ちゃんにしがみついてたお前が
今は手を離れ巣立ってゆく
俺はお前に何度か
手を挙げて叱った事もあった。
お前が俺を
冷たくあしらって避けた時もあった。
二十数年の月日なんか
あっという間にこの日の為に過ぎ去った。
最近目が霞むようになったな…。
不思議と一瞬で、お前の晴れ姿が写らなくなってきた。
頼むから
本当にお世話になりました。とか
そんな小っ恥ずかしい手紙なんかくれるな。
頼むから
これからの俺らの事を心配するな。
自分達の暮らしの為に、経験を積んでゆけ。
頼むから
誰よりも幸せになってくれ。
俺らはお前の親としては、まだ未完成だったのかも知れない。
そう世間からも認められる立派な母親になってくれ。