詩人:剛田奇作
やっと見つけた
小さなデパートの雑貨屋で
君にぴったりの香り
もちろん即買いしたさ、
香りの名前も見ずに
嗅いだ瞬間に
君の、
うなじと耳の裏を撫でる仕草が浮かんだ
君がそっと隣に
腰を下ろし
ハンドバッグを膝にのせたあの時をね
探したよ
ミルクみたいに柔らかいけど
すごく角があって
クセがあるんだ
ねぇ、僕はやっぱり
ものすごく格好悪いやつなのかも知れない
君を無くしてから二年、
忍びよる春
僕はもう、大人
歳をとりたくない
…なんてね
笑わないでくれよ
2009/01/18 (Sun)